講師挨拶

「音楽」から「音楽する」へ

“ミュージッキング[Musicking]” は、クリストファー・スモールというニュージーランド生まれの音楽家、教育者、社会音楽学者、民族音楽学者が作った概念で、大人のためのオンラインミュージックレッスンの名前の由来です。

“ミュージッキング”とは「音楽は“行為”であって“鑑賞”ではない」という概念を持つ言葉で2011年に出版されたクリストファー・スモール著作“ミュージッキング”の中で提唱され、音楽関係者の間にショックを与えました。

 

音楽は“作品”でも“商品”でもない、“実践”なのだ。“音楽”から“音楽する”へ

 

大人のためのオンラインミュージックスクール “ミュージッキング ”はこの言葉に共感し、まさにこの概念を広めるために設立されました。

 

今まで音楽が好きでも実際に楽器に触れたことのない方、子供の時に楽器を習っていたけれど、もう一度始めたい方、音楽作品を弾くだけでなく、主体的に自分で作曲やアレンジ、即興演奏をやってみたい方。

生活の中に自分を表現することや創造的な活動を取り入れることが、どれだけ人々の感情にプラスに働きかけるかは、数々の学術的研究の中でも証明されています。

”ミュージッキング”で日々の生活を豊かに過ごしていただきたいです。

 

今回、大人に特化したオンラインミュージックスクールを開校するにあたって、大人が聴く多種多様な音楽のスタイルに対応できる音楽講師が少ないという事が理由の一つでした。

都会では、大人のための音楽教室、多種多様なコンサ ート、音楽サークル、ジャズクラブやジャムセッションがあり、大人が文化芸術活動に接する機会は様々です。

しかし地方ですと、子供のための音楽教室はあっても、大人に特化した音楽教室を見つけるのは難しく、そのような文化芸術活動の選択肢は都会より少なくなります。

アフターコロナは、リモート化が一般化し、場所を選ばず仕事をしている人も多くなってきました。大人のためのオンラインミュージックスクールはそのような社会の動きに対応し、地方と都会との文化活動の格差を埋める事ができると考えます。

また、オンラインでもアンサンブルの練習ができるソフトができたりとオンラインの状況は体面と遜色なくレッスンができることに皆様驚かれますが、オンラインと対面の利点を活かした教室運営を心がけています。

瀬戸内海しまなみ海道の真ん中の島、人気の観光地でもある、大三島での対面でのワークショップや東京方面でのピアノ発表会や対面レッスンなどを取り入れ、オンラインと対面の利点を活かした教室運営をしています。


私は、アメリカのバークリー音楽大学を卒業した後、音楽家、音楽講師として今までに、日本、アメリカ、チュニジア、ジャマイカ、イギリスに住んできました。

現地の音楽家・芸術家・社会活動家・教育者・親・生徒・現地で普通に生活する人々との関わりの中、それぞれの文化の中での音楽の役割や、社会の中での音楽の重要性、どのように音楽が伝えられていっているのかを知り、自分が当然だと思ってきた音楽のあり方が唯一ではないと解りました。そして、外交官・国際機関関係者・研究者と関わりを持つ中で音楽を通して自分がどのように社会に貢献できるのかを考えるようになりました。


そのような経緯から学校に戻り、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院の修士プログラム“開発の中の音楽”で、「文化芸術からの社会変革」について学びました。会員の皆様が“ミュージッキング” を通して、音楽スキルを身につけ楽しく演奏をすることはもとより、様々な音楽に触れ、世界を広げ、豊かな感受性を育み、自分を表現し、創造的な活動を生活の中に取り入れ、そして、その結果として社会全体に明るい影響を与える事ができたらと考えています。


2021年8月に設立した「NPO法人しまなみアートファーム」は、"Musicking"の実践を地方創生・国際協力の分野から行っています。


ぜひ、一緒に “Musicking ”を始めてみましょう。

 

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ミュージッキング 吉田佳代

講師略歴

愛媛県・大三島から

瀬戸内海「大三島」からレッスンをお届けしています。

大三島は一周88.8 km、5千人程度ののんびりした島です。豊かな歴史的文化的遺産のある神秘的な島で『神の島』とも呼ばれています。

撮影地:今治市伊東豊雄建築ミュージアム、大三島島内各地、他